僕はこんなにも生きたかった

20代でうつ病と多発血管炎性肉芽腫症を発症し、30代で転職して父親になった、元公務員の記録

呼吸器科から精神科へ

その日は午前中から呼吸器科の診察を受けていたのですが、検査もあったため、もうお昼近い時間になっていました。

ですが精神科を紹介していただいたら、すぐ来てもらって大丈夫ということで、その日のうちに精神科を受診できることになりました。

 

ただ僕は当時は前向きなのが取り柄と自覚していましたので、いわゆるうつ病などとは縁遠い人間だと思っていました。なので精神科と聞いてもあまりピンとこず、どこか他人事のような感覚がしたのを覚えています。

 

そこでは二人の医師から別々に、合わせて約1時間程の問診がありました。仕事のことや私生活のこと、家族のことなどを聞かれるままに答えました。

 

おそらくその結果の擦り合わせのようなことをしていたのでしょうが、その後少し待たされました。

自分は何か得体の知れない病気になってしまったのだろうか、というような不安のため、落ち着かない気持ちで待っていました。

 

改めて診察室に呼ばれると、そこで先生から「うつ病です」と伝えられました。

もちろん僕に自覚はなかったのですが、自傷行為等が無いだけで、病気の程度としては決して軽くはない、と。

また、仕事も出来る限り早く休むようにと付け加えられました。

 

診察が終わり、診断書と薬を受け取ると、まず母親に、そして次は職場の上司に連絡をしました。皆驚いていましたが、僕が驚いたのは、母親は「そう言われれば思い当たるこおがある」と話していたことです。母親とは時に本人以上に子どものことを理解しているのですね。

 

公務員という仕事柄、休職の手続きは驚くほど簡単に進みました。

こうして僕の長い長い闘病は始まりました。